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suinner プロジェクト進捗 ⑤

2025 5/22
プロジェクトチーム suinner
2025年5月22日


インクルーシブデザインの実践プロジェクトでは、福祉分野と多分野が協働するチームが、約1年をかけて実際に製品やサービスをつくりあげていきます。

今回は「suinner」チームのレポート。2023年から始まった冠婚葬祭用のジャケットの開発。さらに1年の期間を経て、どのように進んだのでしょうか。

2024年度振り返りレポート、第2弾をお届けします。

目次

インクルーシブデザインな開発のありかた

インクルーシブデザインでは、「デザインのプロセスに多様な課題を抱える人々を巻き込み、共に学び合い、つくり出していく」ことを大切にします。

suinnerチームの場合、当事者はプロジェクトの中心でもある木村寛子さんです。そこに、これまで福祉分野とは関わりのなかったデザイナーのワタナベさんがチームに加わり、開発を行ってきました。

当事者であるマルチスイッチの木村さん、デザイナーであるワタナベさんには、プロジェクトの過程でどのような変化や気づきがあったのでしょうか。

「できない」が当たり前にならないために

2020年、木村さんが立ち上げた「マルチスイッチ」は、当事者自身の視点を出発点にした取り組みとしてスタートしました。

きっかけは、地域でピアカウンセラーとして活動する中で、木村さんが繰り返し耳にしてきたエピソードです。
それは、家族が冠婚葬祭に参加する一方で、本人はショートステイなどに預けられてしまうという現実でした。そして多くの場合、本人さえも「そういうもの」と受け入れてしまっている——。
その状況に強い違和感を覚えたことが、木村さんの原動力となり、マルチスイッチの開発が始まりました。

木村さんには、ずっと作りたいと願ってきたものがありました。
それが、車椅子ユーザーのための、簡単に脱ぎ着ができるフォーマルな衣類です。特にジャケットは、木村さん自身が車椅子での生活を送る中で、次第に手を伸ばさなくなっていったアイテムでした。

2025年2月15日に行われた「インクルーシブデザインチャレンジ」第3回公開セミナーのトークの中で、木村さんは当時をこう振り返ります。

「“前から着ることができるジャケットがあったらいいな”というアイデアは、心の中にありました。でも、それをどう形にしていいのかわからなかった。

それが今、実際に“かたち”になって、一般の方からも『かわいい』『普通に着たい』と言ってもらえた。本当に嬉しかったし、ワタナベさんとの出会いにも心から感謝しています。」

そして、2年間の取り組みを通じて、改めて気づいたことがあると語ります。

「福祉の中だけでは、なかなか広がっていかないということ。『無理や』『そういうもんや』って押し込められそうになることもあったけど、『そうじゃない』ってことを証明したくて、ここまで続けてきました。そして今、私たちが見たかった“ほんまのかたち”になった。それが、何よりも嬉しいです。」

木村さんの強い思いが、当事者の視点から生まれたアイデアを、社会へと届けるデザインへと昇華させました。

suinnerのジャケットは、単なる衣類ではなく、ひとりの声から始まった“社会へのまなざし”でもあります。

「福祉だから」じゃない、デザインの現場として

そしてこの2年間、suinnerのデザイナーとしてプロジェクトに関わってきたワタナベさん。
1年前の公開セミナーでは、「『福祉だから』という意識はありませんでした」と話していましたが、その思いは今も変わっていません。福祉かどうかに関わらず、「良いものをつくる」という姿勢を貫いてきました。

「『福祉だから特別』と言うのは、きっと外から見ている人たちの視点であって、内側に入ってしまえば、良いものをつくるという意味では何も変わらない。それを改めて実感する機会にもなりました」

ワタナベさんは改めてそう語ります。
彼女がこのプロジェクトで何よりも大切にしてきたのは、「プロジェクトが終わっても、木村さんが自分のものとして愛せるブランドをつくること」。
何度も議論を重ねる中で、デザイナーである自分が主導するのではなく、当事者である木村さんが自ら育てていけるプロダクトの土台を整えることの大切さに気づいていったといいます。

公開セミナーでは、そんな二人の関係性を象徴するような、こんなやりとりもありました。

「大丈夫、大丈夫そうですか? 私いなくても、できていきます?」
「最初は『わからん! ワタナベさん、もうちょっと教えてほしい!』って思ってました。聞けばヒントはくれるんですけど、あとは『自分でがんばれ』ってなる(笑)」

そう笑いながら応える木村さん。こうしたやりとりを重ねる中で、木村さんは着実に、アイデアを形にする力を育んでいったようです。

「2年間やってみて、ひしひしとワタナベさんからの愛情を感じています。ありがとう。」

2人の間には、深い信頼関係がしっかりと築かれていたことが、言葉の端々から伝わってきました。

まとめ

福祉とデザイン研究会 長浜市社会福祉協議会 インクルーシブデザイン suinner

インクルーシブデザインを取り入れた開発のあり方がもっと広まることで、多くの人が、より暮らしやすい社会に近づいていくのではないか——。そんな思いから始まったのが、このプロジェクト。

思い返せば、開発の初期段階では「前から着ることができる」構造を基本に据えていた木村さん。
それは、「車椅子ユーザーがかっこよく着られる服をつくりたい」という明確な願いがあったからです。

しかし、ワタナベさんや社協スタッフとの度重なる意見交換を経て、その視点は少しずつ変化していきました。「誰が着ても自然に似合う」ことを目指した、より開かれたデザインへと発展していったのです。

第3回公開セミナーでは、参加者から「ふつうにかわいい」といった何気ないひと言が聞かれました。それは、suinnerがインクルーシブな視点でプロダクトを生み出してきたことを、何よりも雄弁に物語る言葉でした。「車椅子用」という枠を超え、多くの人の心に届くデザインが生まれた瞬間でもありました。

「困りごとをアイデアのタネに」という本研究会の合言葉を体現するように、木村さんの声が、こんなにも魅力的なデザインの源になっていることを、suinnerは示してくれています。

セミナーの中で、アドバイザーである「シブヤフォント」のライラ・カセムさんが、こんな言葉も残しています。

「英語で言うと“decency(ディセンシー)”がキーワードになるのかな」

ライラさんは、「ディセンシー」は直訳すると「上品さ」や「良識」とされますが、「凛としていて、自分が自分であることに非を感じない状態」を表す言葉でもあると言います。

「木村さんが、長く愛することができるようなブランドに」

ワタナベさんの願いが込められたデザインは、これからもきっと、木村さん自身の歩みに寄り添いながら育っていくことでしょう。

suinnerの今後については、マルチスイッチさんのウェブサイトよりご確認いただけます。

一般社団法人マルチスイッチ ウェブサイト
suinner 販売サイト

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