ミラプロは、福祉とデザイン研究会の実践プログラムのひとつとして、2024年度に新たにスタートしました。滋賀県長浜北星高校・福祉コースの先生と生徒が地域で活躍するデザイナーとともに、「福祉の未来を考える」をテーマに取り組んだ1年を振り返ります。
福祉=3K?
「福祉の裾野を広げる」をテーマに動き出した2024年。
きっかけは、高田先生が生徒と対話する中で聞いた、ある質問でした。
ー「先生、福祉って“3K”って言われるけど、3Kって何ですか?」
高田先生が「“きつい・汚い・危険”の略だよ」と答えると、生徒たちは驚いた表情を見せました。
「そんなイメージ、初めて聞いた」という声もあったといいます。
では、一体誰が“3K”という言葉を広めたのでしょうか。
近年では「給料が安い」という言葉も加えられることがありますが、実際に福祉の現場で働く卒業生の中には、一人暮らしをしながら自立して生活している人も多くいます。
生徒たちは「社会で言われているイメージと現実には、大きなギャップがあるのでは?」と気づき始めました。
「どこかで誰かが発した言葉が、イメージとしてひとり歩きしているのかもしれない。
では、その“ひとり歩き”を止めるにはどうすればいいのか。」
生徒たちはその答えを探すため、実際に福祉の現場で働く人々の声を聞くことにしました。
福祉で働く、さまざまな人の姿

2024年8月。
授業の一環として、社会福祉協議会の職員を招き、仕事の内容やこれまでの経緯、やりがいについて話を伺いました。
「どんなきっかけで福祉の仕事に就いたのか」「仕事をしていてうれしい瞬間は?」――
生徒たちは付箋にメモを取りながら、「もっと聞きたいこと」や「初めて知ったこと」を書き留めていきます。
また別の日には、福祉の分野以外から“福祉に関わる”人の話も登場しました。
招かれたのは、ファッションブランド「suinner(スイナー)」のデザイナー、ワタナベユカリさん。
座った状態で美しく着られるジャケットを開発した経験を通じて、「デザインと福祉がつながる瞬間」について語りました。生徒たちは、福祉の世界が介護だけではなく、デザインやまちづくり、企業活動など、さまざまな分野と関わっていることを実感しました。
その学びから、「福祉=介護」という固定観念が少しずつほぐれ、「福祉は“誰かのため”だけでなく、“誰もが関われる”分野なのかもしれない」という新たな気づきが生まれたのです。

次につながる気づきへ
こうして始まった“福祉を知る”取り組みは、生徒たちの中に少しずつ変化をもたらしています。
「もっといろんな仕事を知りたい」「自分にもできる関わり方を探してみたい」――。
福祉を「大変そうな仕事」としてではなく、「人と社会をつなぐ活動」として考え始めた高校生たちの姿が、少しずつ見え始めました。





