2025年、ある創作ゲームの企画制作が始まりました。
障害をもちながら一人で生活する蓮くんの「友達がほしいな」というつぶやきがが始まり。
蓮くんに関わるメンバーが集まり、コンセプトの設定から企画会議が始まりました。 ゲームを通じたコミュニケーションを実際の人間関係に連動していくことをめざします。 それが。コミュニケーション型のカードゲーム「MAZZE MAZZE FRIENDS(まぜまぜフレン ズ)」です。 ゲーム参加者(プレイヤー)をモデルにしたキャラクターカードを使って、その個性を活かしなが らゲームを盛り上げ、リアルのコミュニケーションにつなげるというもの。
この記事では、2025年度からのプロジェクト「Mazzel」の実践レポートをお届けします。

さみしさは解消できる?
中村蓮くんは、長浜市内で一人暮らしをする車椅子ユーザーです。
ふだんは市内の生活介護 の事業所へ通所しています。身の回りのことはヘルパーさんの力を借りていて、食事もこしらえてもらっています。ただ、食べるときは一人。
「性格はどちらかというと積極的!」と胸をはるほど、人とのおしゃべりや交流が好き。けれど、現在の生活は新しい出会いは限定的。人との交流を通じた体験や経験にも物足らなさのようなものを感じていました。
「新しい縁をつくりたい」という蓮くんの思いを知ったのが、養護学校時代の担任であった山口 有子さんら。蓮くんの希望について話し合ううちに、蓮くん自身が先導してみんながつながる場 を作れないかというアイデアが浮上。
それはたとえば喫茶店のマスターのようなもので、マスターに会いにコーヒーを飲みに行けるような場。マスターとの関係だけではなく、カウンターで 隣同士になった人たちが交流を育んでいけるような場です。
アイデアをきっかけに合流したのが、市内でゲームスペース「RESPAWN(リスポーン)」を運営、イベント企画 などを行う「場づくり」をしている山瀬鷹衡(たかひで)さん。ゲームクリエイターでもある山瀬さんから提案をもらい、蓮くんが「ゲームマスター」になって、さまざまな人を迎え入れてはどうかと話が展開していきました。

ゲームのアイデアを練りあう蓮くん (左)と山瀬さん
ゲームマスターである理由
そもそもゲームは友達づくりをするために行うものではなく、ゲームを楽しむために参加します。
そこで繰り広げられる会話は、いい意味での「くだらないこと」。
「仲が良いからくだらない話ができる」のではなく、「くだらない話を通じて(くだらない話で も成り立つ)関係が生まれる」ことに期待します。
これまでにも5種のカードゲームを作っているという山瀬さんからは「蓮くんの周りに実在する人 をキャラクターカードに仕立てたコミュニケーションゲームはどうか」という提案が。
キャラクターカードには、「プロフィール帳」のように、自分の性格や趣味といったパーソナルデータが記載されています。 このキャラクターカードを使って、さまざまなシチュエーションのお題を設定。
「たとえば無人 島で一緒に過ごすチームをつくろう」というお題に対して、キャラクターカードに記載している性 格などを踏まえ「無人島でもやっていけそう」なチーム編成を考えるといったもの。
ここまで来るのに、プロジェクトチームのメンバーで喧々諤々の大議論。
たとえばキャラクターカードに干支を入れるかどうか。お題に関しうては「1億円のベンチャー企業を立ち上げるなら」 はどう?という提案の傍らで「それなら1億円があったら何に使う」で良いのでは?といったディ ティールの決定など。ゲームが少しずつ具体化していきます!

キャラクターカードのパイロット盤
この記事を書いた人 | 矢島絢子









